できるってどういうこと??!
普通できるわけないじゃん!!

‐説明は後でするから
とにかく試してみなさい
でなきゃ信じないと思うから…貴女に不思議な力があるって‐

不思議な…力…?

‐今は説明してる暇はないの
とにかく集中して
今 貴女の頭の中にこの建物の見取図を送るから それで建物を想像しなさい
そうすれば いっしょに 建物内にいる人物一人一人きちんと見えるから‐

全く意味がわからないでいると
いきなり頭の中に画像が送られてきた
それはまるで起きているのに夢をみている感じだった…
試しに目を閉じて見ると
それははっきりと建物の見取図だとわかった…

凄い…

私はさっきの鸞さんの言葉を思い出して
さっき言われたとおりに 頭の中で見取図を立体的にした…
すると それは リアルな病院になった しかも院内を歩いている看護師さんや患者さんまで見えた――

なんで…???

‐そおしたら 次は怪しい人を探して
銃を持っているかどうかまでたぶん貴女にはわかるはずよ‐

そんな事わかる分けないじゃない!!
しかも銃って!!??

混乱しながらも鸞さんの言ったとおりに探してみた
すると…





凄い…わかる…怪しい人が他の人よりも浮いてみえる…しかも 何故か銃のシルエットまではっきりわかる…

「躪ちゃん…?」

「入口に銃を持った男が五人
それから 一階の待合室に患者に扮して銃を持っている奴が二人
この階には エレベーターの前に一人 各階段に一人ずつ いずれも銃を持ってる
この部屋の前には三人 この三人は銃を二丁持ってる」

私の口は当たり前のように動いていた…
記憶は無くても身体は全て覚えているようだった…

「躪…お前…」

「記憶は無くても力はけんざいだな、躪ちゃん♪」

「とにかく、だいたいわかった…
行くぞ涼!!」