「学祭ん時体育館でやるからさぁ、絶対見に来いよ?オマエの貴重な一票、オレにくれよ」


「もちろん!何なら私もあげちゃうよぉ~。キャハ」


「マジで~?なら絶対見に来てもらわねーとな」


風ちゃん…最近可愛くなったけど、こういう反応が、ねーんだよなぁ。


それがちょっと物足りないっつうか。まぁ、その純朴なとこがかわいいんだろーけど…。


「ね!あのピアノの人って2年生?カッコいーよねぇ」


チクと胸に刺さる一言。


クラスにつく頃には、全く相手してなかったファンの子は捌けていて、彼女と二人になっていた。


「あの人、うちのバンドの要だからなぁ~。モテるぜ?相手にしてもらえるかは、微妙だけど」


「でも真面目そーだよね。私はもっと軽い恋愛したいから。タクミがちょーどいいな」


軽い恋愛でオレかよー。


「残念でしたぁ、オレ今彼女いるし。これからは、真面目になろーかな」


「えー、あのボーカル?やめてよぉ、タクミの価値下がっちゃう」