「タクミ!聞いてる?」


「え?あぁ、何だっけ」


クラスの女だった。


「学祭はクラスの行事がメインなんだから、サボってないでちゃんと真面目にやってよね?」


「分かってますって~。だから今から教室戻んじゃん」


「見張りに来たんだからぁ。バンドでドラム叩いて疲れてても、クラスの手抜きは許さないからね~っ」


「へいへい」


可愛く微笑む嫌みのない笑顔。見た目もオレ好み。


男いるくせに、最近やたらオレの周りをうろついてる。


好かれてんのは、間違いないと思うけど…。


「さっきのオレ見てた?カッコ良かったろ。ビートが胸に響かんかった?」


「響いたよ~!ドキドキしたっ」


みんなの前でも気にする事なく、オレに腕を絡める。


こういう反応、スキだな。思わず抱き締めたくなる。