「…そんなカッコイいものじゃないのかも…」



小さく呟く。




「え?」



矢代くんが聞き返してきたけど、私は笑って首をふった。




「なんでもないよ。それより問題は解けたの?」




真っ白な矢代くんの数学のプリントを覗き込むと、矢代くんは心底嫌そうな顔をした。




「なんかみっちゃんお母さんみたいで嫌~」



「はいはい。ほら、教えてあげるから一緒にやろうね。」



「ちょっ!!みっちゃんまじで子供扱いやめて!!!」



叫んだ矢代くんに、私はただ笑った。