「なんかさ、もういいんじゃね?」 カチャン…とフォークを置いて大ちゃんが言った。 「囚われるばかりじゃ、進むモンも進まねぇよ。」 「分かってるもん…」 急に真剣にならないでよ。 心が着いていかないから。 「みぃ、なんで走るの好きだった?」 「…なんでって…」 そぅ。 私は中学二年後半まで陸上部だった。 短距離が一番得意で、こう見えても有力選手。 …だった。