太郎さんは私を見て暫く停止した。


私にしたら、最強だと思ってた大ちゃんを越える太郎さんにビビっている。



「…大地ィィィ!!!」


「はぃぃっ!?」



太郎さんは急に笑顔になって、大ちゃんから手を離し、背中をバンバンと叩いた。




「漸くお前にも春がきたんやなぁ!!」


とうの大ちゃんは、ケホケホと咳をしている。


「ケホッ…いや…春ってか…幼なじみの…ケホッ!! 」



苦しそうな大ちゃんに変わって、私は小さな声で自己紹介を始める。