叫んだ私を差し置いて、大ちゃんは気持ちよさそうに歌い出した。



もし、音のない世界でこの光景を見ていたら、うっとりしていたかもしれない。



芸能人顔負けのかっこよさ。


マイクを握る、すらりと伸びた綺麗な指。



耳元に光るピアスも、暗い中で電気に反射する金髪も、

高い鼻も、切れ目長い瞳も、全部全部。



もしかしたら、私はただでジャニーズのコンサートに行く以上に得してるのかも…



そんな考えも、大ちゃんが再びサビを歌い出した時に儚く消えた。