けれど、あたしはマスクをして、薄手の軍手を填めたまま。

部屋をあちこち探した。



彼からの依頼は先生に没収された指輪たったひとつ。



あたしは指輪に縁がある。
もう指輪なんてみたくない。


あたしの中でその物はとても恐怖の対象になっていた。



気付かない内に。