───鍵は既に開けといた。



彼の言葉を反芻し、扉を引くと中へとそっと侵入した。




「あっ!」


(いけないっ)



目を泳がせ、あたしは手をそっと口から放した。




学校でみる教材と先生の愛用しているペンが机の上に転がっていた。


あたしは先生の部屋に不法侵入していた。



先生は彼の同居人だった。




理由はわからない。