でも。



あたしに“断る”の二文字が欠落しているのか。



或いは彼に既に捕まっているのか。




足は既に一歩、一歩と彼の向ける方向へと歩みを始めていた。

足が止まる頃にはあたしはものすごく後悔をしちゃうんだろうなって、頭では。


わかっている!のに…あたしはあたしは。

彼に従い始めていた。

もうさっきまでのことよりも悪いことをしている気がしてあたしは叫びそうだった。