夏美の一言に顔が紅潮しかけて俯いた。



つ-かここって廊下じゃん。

軽く背を向けているけれどしゃがみ込んだ男と突っ立った女の図じゃかっこわるいじゃないか。

でもかっこわるいことをしたのはオレだ。

好きな人がいるからわかる。

先生はマヤちゃんが好きなオレにきづいてる。

だからでもだからなにもいいたくない。

「携帯預けたから…」

「えっ?あ-そっか…うんそういうこと」

「…だから…」

後でいうよとつづけると予鈴にかきけされ、夏美は黙って先に教室に帰ってしまった。

夏美の優しさでまた。

泣きかけた。

「あ-…完璧遅刻だなこれは」

オレはようやく立ち上がると水道に向かい顔を洗うとともに熱を冷やした。

つか、マヤちゃんはどういう意味で返事をしたのだろう。

内容を蘇らすもこれっぽっちも気持ちがわからない。

くやしい。

好きなだけじゃだめだなんて。

やっぱ思いは伝えるしかないのかとオレは神様を恨んだ。

関係を壊すことがなによりも怖いんだ。

まだまだがきだからオレ。