「とにかく」

「…なに?」

ついつい挑発的になるあたしを彼はまたサングラスを掛けて笑った。
目は見えないけどこの際どうだっていい。




早く…言ってよ。



そんな気持ちを断るように彼はそのまま近付いて背中を押した。

「送ってくから」

「…………!………」

「ははっ」



彼はあたしをみては笑いっぱなしだ。



あたしには笑う余裕もないのに。



誰かに見られるんじゃないかって不安なのに。



彼は気にしないといった感じであたしと並んで歩き出した。