通っていて初めて。訪れる公園が校内一の不良との待ち合わせだとは思わなかった。

彼はサングラス以外は制服だったけど、よくみれば泥やなにかで黒ずんだ色をしたり。

制服の釦のひとつが破れていた。



「やっぱり怖い?」



 ズササ



「あっ!!」


「……」

「………っ」



「…まあいいけど。」




あたしは無意識に彼から遠ざかるように足を後ろへ下げた。

どんどん血の気が引いてゆく。


彼の気配も。彼からする香りもあたしの知らない香水で、あたしの知ってる異性にはない。

危険な香りがした。



彼は渡した指輪を填めて笑った。



歯が一瞬・光った気がした。