「マヤちゃんが愛理沙さんになにか言われてその後、教室を…出てったろ？」

「うん」

一哉は気をつかってくれている。多分夏海に言ったら舞彩も職員室に向かった由華にも話すことになる。

(一哉ありがとう…)

心の中で呟き、あたしは口を開いた。

「だからすぐには指輪を拾えなくて、それで用事もあったし…」
「でもなんで！？」
「まあまあいいからいいから」
「わかったからってかあんたにいわれるとムカつく」


「ひでぇ」



こうしてまたあたし達は探した。

夕陽が顔を照らす頃、一人職員室に行っていた由華が戻って、息を吐く。



「由華ちゃんどうだった！」



夏海が尋ねた。