「はぁっはぁっ──」


「そんな少しのことで息あがるなよ」

「だっ だって、り、陸に悪いことしちゃったから…だから…っ」


あたしは胸を抑えて息を整えた。

最後に先生が廊下にいた生徒を教室へ押し込む様子が、僅かに記憶に残る。



時間が長く感じる。



そんな、沈黙。




陸はそれでも。



あたしの手をいつの間にか握ってて。




温かさに涙が滲んだ。