(胸が痛い)

ズキズキとする胸を押さえて息を吸い込んだ。

あたしの牲で彼が…陸自身が困ってるというのに。あたしはあたし自身のことでいっぱいだ。

先生…

「………」

「………」

「…授業始まるぞ~ほらさっさと教室に」

(先生?)

「…!」

顔を上げると先生は笑いかけて後ろを向いた。指先だけが揺れて、あたしと陸は屋上に向かって階段へと移動した。