それで彼が近付くと気持ちをお互いに知っちゃってるからか。返ってあたしの方が。

余裕がさ?

なくっなくなっちゃって。


「あはは」



「笑いごとじゃないでしょ」



「はい…すみません」
「てか私にいわれても困るんだけどォ」

「…あはは」



それで何故か愛理沙はあたしの助っ人になるようになったんだ。

なんでなのかわからなかったんだけど彼氏の陸さん‥ならわかる。知ってるみたいで、今日も朝ね言われたんだ。


“腹わったから気に入るんだよ”


って。




「ツンっ 訊いてるの?」

「あっごめんなに?」

「だからね?瞼を簡単に閉じたり、たま~に??


そ・のっ


隙をつくるのをやめなさいよ」

じぃ-っと長い睫毛をくるんと上げた愛理沙が睨むように、でも優しく教えてくれる。

あたしはありがとうと言うつもりだった。

でも愛理沙自身がそれを遮った。



「貴方も青春してるんじゃないわよ」