ただ時間だけが過ぎていき。



「はぁ~ぁぁあ」



 ぎゅっ



「え!?」


一哉はそっと手を握り直して瞼を擦った。


 ドキッ


笑った顔と視線がぶつかった。



「オレなんか気にするなよ?」

「えっ」


「オレわかってたから

つか。


好きだからわかるから


いいよ今のままで」


「一哉っ…」

「たんまっ」

「え?なに?」




「その顔はよして?オレ…諦めきれなくて多分。しつこくなるよ。その顔されたらオレでも」


どうにかなっちゃいそう…。と、一哉は手を突き出してあたしの視界半分を遮った。