ぎゅっと一哉の手を咄嗟に掴んだあたし。

なんだか一哉って男の子なんだなって今更にして思ってしまった。

 ぎゅっ

一哉が震えを引かせて支える熱があたしを混乱させる。

あたしは…


どきどきするあたしは今になって、恥ずかしくなった。



「マ~ヤ?」

「うん」

「写真は拾って置くからちょっと授業さぼりなよ!? ほらっこんな様子じゃ気まずいでしょ?」


 ぎゅっ


握った手を一哉も握り返し、あたし達は予鈴と共に教室を出て行った。



静かすぎる廊下。

あたしも。一哉も。なにも口にしなかった。

ただ時間だけが過ぎていき。



「はぁ~ぁぁあ」



 ぎゅっ



「え!?」


一哉はそっと手を握り直して瞼を擦った。


 ドキッ


笑った顔と視線がぶつかった。



「オレなんか気にするなよ?」

「えっ」


「オレわかってたから

つか。


好きだからわかるから


いいよ今のままで」


「一哉っ…」

「たんまっ」

「え?なに?」




「その顔はよして?オレ…諦めきれなくて多分。しつこくなるよ。その顔されたらオレでも」


どうにかなっちゃいそう…。と、一哉は手を突き