「だからなんだよ?」

「やだね」

「うん最低」

「こんな女のどこがいいんだよっ趣味悪いんじゃね-?」




「うるせぇ!!!」




ビリビリと一哉の声に教室は静かになった。
ぎゅっと支える腕が小刻みに震えていた。





「オレを罵るなら構わない!


でもな?


すっ好きなマヤちゃんのことを言うのは許さない!!


オレはっ…


マヤちゃんはこんなことをする人間じゃないって信じてんだ!悪いか!!!?」




「…一哉…」

 ぎゅっ

「ごめん。ごめんな?」


手を外した一哉の顔はあたし以上に悲し気に。

あたしに映り込む先生との写真を一哉はあたしを胸に寄せて頭を抱えたまま。



「見るな!……ごめんな?オレ…マヤちゃんが好きで大好きで…っ………どうしようもなくて。ごめんな…」


一哉は震えながらあたしを教室の真ん中で抱き締めて、今にも泣き出しそうに息をしていた。