「はぁ-」



全部聞こえてるつ-の。


あたしはこれでもクラスでは真面目な方なんだよ。

それに地味ではないけどそんなに派手でもない分類だっていうのよ!

(もうっ)

「ジタバタしない」

 びくっ!

「河辺は本当に泳げないのか?」

「なに言ってるんですか先生、あたし…」

「どうした?」

「いえ…」



危なかった。

先生はスパルタだったな。

あたしがもし、ここで泳げないとか言ってしまったら先生は体操着だからとプ-ルに飛び込ませるだろう。

先生は鬼先とも呼ばれてて。
実際に目も一重でつりあがってるし。
それに何処で怪我したのかわからない痣が左肩全面にできていた。

「もし!」

 びくっ

「……はいっ」

「もし、泳げなくてといった理由なら先生に任せなさい。これでも先生はトライアスロンに参加した経験があるんだ。いいな?」

「はい」



うわっそれって…

想像することはやめとくあたしだった。