「髪を乾かしなさい」

「うん」



温かい部屋に。



「ほらったまにはやってやる。前だ前」



パパがタオルを片手にあたしの頭を乾かす。

その利き手の右手にはドライヤ-も握られてて。
パパは熱いかと尋ねながらそっと熱風を当ててあたしの金髪に染まった髪を梳かす。




初めて触った金髪に染めた髪。





「綺麗な色だな…」



ぽつりと独り言のように呟いた言葉に目頭が熱く滲んだ。