海の家にはママとパパが居て、あたしはどうしても泳ぎたかった。


「ひとりで行く」

「むりよ」

「やだ無理なんかじゃないもんあたし浮き輪買うから平気だからねえ?パパも言ってよ」

「ん-まあ、浮き輪があればな」

「ちょっとあなた」



(今の内に…)



あたしが急いで海へと走って行った。

それは受験生の時だった。

あたしはまだ全然泳げなくて。

カナヅチだったんだ。

泳げない理由は水着になりたくなくて授業に参加しなかったことが原因だったりする。

あの頃は特に、元彼も居たし。恥ずかしくて休んでばっかりだった。