逸らせない。

彼から離れられない。

今あたしは動けない。


彼の目が強くて、余りにも強過ぎて。



“…名前はなに?”



なんて聞くこともできない。



「…はぁっ」



“やめて!順番がおかしいけど、名前が、名前を呼びたいの!”



それさえもあたしは言えない。



「…着くまでこのままでいようか?」

「!!」

「その顔、かわいいな(笑) 後どのくらいだ」
「………あっ!え-…もう少しっス!!」
「そう」

「……フッ!「──待てそう?」


彼の瞳が妖しく光る。