彼はなにも言わずにあたしの肩を掴んで距離を離すと、一度だけ手を離し、また彼はあたしの肩を掴んだ。

彼が向きを変えるように動くとあたしも向きを変えられて。

手を離した彼の背中を追いかけた。

「………」


彼は一度だけ立ち止まり、右手を曲げたりして、あたしはその手を追いかけ。

 ぎゅっ

「…離さないで…っ」


強く。



囁いた。