小さな人影が映る。



「あったのか?」
「うん!あったよ!あったはいっ」

「ん?やけに素直だね」

「………」

あたしは黙って指輪の箱を突き出した。


「………」

「…まっいいか誰にも言うなよ?わかるよな?」

「言わない!言わないからお願いがあるの!!」

彼の顔を見るとまた目が霞む。
それでも我慢をして彼にちかづいた。



「…んく!?」



あたしは彼に、自らクチヅケをした。


ぴくりと彼の腕が動いた気がした。

それでも。

それでもあたしは彼に触れたまま、ゆっくりと離れ俯いた。


小さな声で「あたしあなたと過ごしたい」って言ったんだ。