【Scene-4】



再び私は一人で桜の樹を見上げてた。

時折吹く風に花びらが舞い上がる。

そっと、握り締めていた左手をゆっくり開いた。

そこには鈍い輝きを放つ。





制服のボタン。





舞い上がる花びらに、彼の笑顔を反芻する。

私の想いは春の嵐に吹き荒れるそれのように、高く、青い空へ舞い上がっていた……。










ーFinー