【Scene-3】



「なーに桜なんか見て黄昏ちゃってんの?」

「……へ?」

気付けば私の隣には親友が立っていた。

「ね、さっきアイツと話してたでしょ?」

「え?あ、いや、ちょっとね……」

「アイツさ、大学行かないんだってね」

「うん、知ってる」

「バンド、やってんだってさ」

「……知ってる」

「ドラマーらしいよ」

「それも……知ってる」

「ふふっ、さすがだな~。で、返事は?」

彼女の言葉に私はくすり、と笑って返した。

「……内緒」