「な~ぁ、こぉしぃ~頼むから俺とヤッてくれよ~」
朝一で馴れ馴れしいバカの声。
「キモい言い方すんなボケッ!変な目で見られるだろうが!」
ベッタリと俺の背中にはり付いてくる隣のクラスの日比谷海斗を、椅子から立ち上がって振り落としてやる。
するとわざとらしく床に転がって叫び声をあげるバカ。
「いった~い!ヒドいよ紅志~!」
「オマエに呼び捨てされる覚えはないっ!」
転がった海斗の腹を手加減しつつも踏んづけてやる。
「さっさと教室戻れ!」
「うぅ~紅志がやるって言うまで帰らない!」
その瞬間。
「はいお前らそこまで~、日比谷、隣へ帰れ!」
担任がひと声。
「くそ~、また来るからな!次こそうんって言えよ!」
ハイハイ、うるさいからさっさと出てけ。
俺は無視して教科書を開いた。