「…ロールキャベツ、美味いよ」

「……口に合ったならよかったです」


カチャカチャ、と食器がたてる音だけが響く食事。私達2人を取り囲む空気は重かった。

ユキさんもどこか私に気を使っているみたいだし、私もうまく笑うことが出来ないでいた。


…ロールキャベツを口にしながらも、先程の光景が、ユキさんのあの顔が、頭から離れない。

話題を必死に探すけれど、全く浮かんでこない。普段何を話して過ごしていたのかでさえ、思い出せなかった。