「遅くなってごめんな。…風呂、入る」
「…そ、それ……」
ユキさんにバッグを手渡され、受け取りながらユキさんの服を指差して声をしぼり出した。
…まさか、とは思うけど、ユキさんの血じゃ、ない…よね?
「…あぁ、オレの血ではないから。…そんな顔、すんな」
いつもの意地悪なオレ様の顔はそこになく、ユキさんは困ったように私に笑いかけ、そしてそのままユキさんは脱衣室に消えていった。
そんなユキさんを見て、思わず泣きそうになって上を向いた。
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