手に持っていた包丁を置き、ケータイを見ると、ユキさんからメールがきていた。…タイミング良すぎ。 『いつもより30分くらい遅くなる。風呂の用意しといて』 ユキさんのメールはいつも簡潔で、用件のみ。 …でも、そんなユキさんのメールを見ると思わず口元が緩んでしまう。 私、相当ユキさんが好きなんだな。 「了解しました、 と…。」 ユキさんにメールの返事を打って、ケータイを閉じる。 …よし。早く夕飯の用意しないと。