ユキさんは私を好きじゃない。

家政婦としても、必要としていない。


ユキさんが私の持っているもので必要としていたものは、きっとこの瞳だけ。

それ以上、何も知ることなんてない。




「…わかりません、何も。」

「っは?」

「でも、ひとつだけ言えます。…ユキさんは、生きてるんです。」

「……」

「亡くなったカオリさんとは、違う。ユキさんの時間は、今も動いているんです」

「……」

「だから、立ち止まってちゃだ、」