「だから、ユキさんのことは直接ユキさんに聞くしかないかな」


昴くんはそう言うと、にこっと笑ってお茶に口をつけていた。

緊張した雰囲気がふっと緩んで、まるで止まっていた時間が動き出したかのように周りの音が一気に耳に入りこんできた。




…なんだか、上手く流されたような気もする。

でも、昴くんが言っていることは正しい。

ユキさんのことを、他の人に聞いてはいけない。ユキさんだって、知られたくないことくらいあるだろうし。


他人が何でもかんでも話してはいけないのだ。