ばこ、という音と共に、昴くんは巧くんの頭を勢いよく叩いた。

巧くんは何が起きたのかわからない様子で昴くんを見た後、私を見て急に慌てだした。




「や、あの、綾芽ちゃん…?」

「…? なに、巧くん?」

「あ、えと、カオリさんは過去のことだし!ユキさんは今彼女とかいないし!」

「…あぁ、たしかにユキさん、毎日ちゃんと夕飯までに帰ってくるしね」

「そ、そうだよ大丈夫だよ!」