そのままくるりと向きを変えると、後ろからユキさんが私を呼んだ。




「…はい?」

「後で書類片付けるの手伝え」

「…はい、わかりました」


後ろを振り返らないまま、ユキさんに返事をして書斎を出た。

パタン、とドアを閉め、中に聞こえないように小さくはぁ、とため息をこぼした。




…ユキさんは普通すぎるくらい普通に、前と変わらず私に接してくる。

命令口調なのも、相変わらず。


前と違うのは、前のように接することが出来ないのは、私の方。