ぼんやりとそう考えていたところに、やけにクリアにユキさんの声が聞こえた。

はっとして顔を上げると、ユキさんがリビングの入り口のドアから顔をのぞかせていた。




「あ、はい。今持っていきます」

「ん。」


ユキさんは私の言葉を聞くと、短く返事をして、また書斎に戻っていった。




「…2人もおかわりいる?」

「ね、綾芽ちゃん、プリンまだある?プリン!」

「巧、少しは遠慮しろよ」

「ふふっ、あるよ。今持ってくるね」


私の言葉で喜ぶ巧くんと呆れ顔の昴くんを見てから立ち上がってキッチンに向かった。