「熱はないね」
んんっと考えこむウミちゃん。
俺を心配してくれてるウミちゃん。
「何か嫌なことあったの?」
「んーちょっとね」
俺が笑ってそう言うとウミちゃんは益々心配そうな顔になった。
「虐められたのっ?」
「そんな感じかも」
「瞬くんを虐めるなんてウミが許さない!」
バシャッと拳をお湯の中に叩きつけて、俺の顔とウミちゃんの顔に泡が飛び散る。
「ウミちゃんがそんな怒ることないよ」
俺は笑ってみせるけど、ウミちゃんは今にも泣き出しそう。
「だって瞬くん元気ないのやだっ」
「俺は元気だよ。虐められるのなんか慣れっこだもん」
そう慣れてる。
人に見た目で判断されることも身勝手に扱われることも孤立させられることも。
俺の中でそれは当たり前。
人って自分勝手だから仕方ない。
今までも同じようなことは何度も何度もあった。
いちいち傷ついてなんかいられない。
気にすることなんてなかった。
受け流してきてた。
なのに、なんでか今は涙がでそう。