「……私が名前つけてもいいですか?」


ちょっと控え目に、照れながら言う女の子。



「別にいいよ」


「ほんと? じゃあ明日までに考えておくから、明日ここで今の時間に待ち合わせです」



勝手に俺の小指と自分の小指を絡ませて歌う。


俺は名前も知らない女の子と明日会う約束をしてしまった。



女の子はさよならーと手を振って走って帰っていった。