お昼を一緒に食べて、色んなはなしをして……
時計を見るともう6時になる頃だった。
「あ……もう帰らないと……」
ウミちゃんはそっとソファーから立ち上がった。
黒いワンピースが冷房の風ですこし揺れてる。
ずっとここにいて欲しい。
「ねぇウミちゃん?」
「ん?」
「今日泊まっていけば? 雨も降ってきたし」
「ほんとだ……雨……」
外は雨。
雨雲のせいで外は薄暗い。
「俺がウミちゃんのお母さんに言ってあげるよ」
「本当? いいのかなぁ……」
「大丈夫だよきっと。ウミちゃんちの電話番号教えて?」
ウミちゃんから電話番号を教えてもらう。
当たり前だけど本当にかけたりはしなかった。
話してるふりをして、ウミちゃんに、了解を得たと伝える。
「わあっお泊まりだー!」
俺は俯いて、一人で笑った。
気持ち悪いな、俺って。