「今ウミちゃんがいなくなったら俺、どうすればいい」



小さな声で呟く瞬。




「ウミちゃんが大人になるまで待てばいいじゃないか」


「いやだ……待てない」



そう言う瞬は駄々をこねる子供のようだった。

やっと手にいれた大切なもの。


手放したくないんだろうな。




「こんなことしてて、ウミちゃんは喜ぶと思うか?」




小さく頭を横に振る瞬。




「ウミちゃんが本当のことを知ったらきっと悲しむぞ?」


「……そうだよね」




瞬は悲しそうに笑った。