「……」



仕送りなんかいらない、とは言えなかった。


一人暮らしをしながら大学の費用も払うのは無理があったから。



柴田さんの家から出ていかないという選択肢はなかった。

俺だってあそこは居心地悪かったし。


大きくなった俺は目障りだったのかもしれない。

だってよく


「本当に君は妹にそっくりですね」


って言われたから。




母さんにそっくりか。



鏡を見てみる。

よくわからないけどやっぱり似てるのかな。


……それとも性格?



「それは嫌だ……」




一人ぼそっと呟いて、犬を連れてコンビニに向かった。