【百合】


2人が殴り、言い争うのを、あたしはただ何も出来ずに…。



さっきまでの出来事に恐怖を覚える。



恐かった…。



あんなの新君じゃなかった…。



「俺が憎いなら他の奴を巻き込んでんじゃねぇよ!!」



稜君の怒鳴り声…。



「…ぅっ…」



あたしはずっと泣きっぱなし。



さっきまでの記憶を、出来事が頭から離れずにいる…。



「チッ、覚えてろよ!」



新君が教室から出て行くのがわかった。



静まる空気の中、稜君が近付いて来るのがわかる。



今、稜君に会わせる顔がない……。