「久しぶりって言っても、発売前から何回かTVで披露してきたから平気ですよ」 「えーそう? 実はね、楽屋でいつも以上にソワソワ。全然落ち着かないのよ!」 「…うるせーよ」 俺も尽かさず小声でそう言い返した。 会場にも笑いが起きる。 『大丈夫ー?』、『頑張れ、潤!』なんていう歓声が聞こえて、 余計に俺はドキドキしてしまう。 「では聞いてください。新曲の…」 俺は深呼吸をして鍵盤へと向かった。 「…ANGEL」