空が薄暗くなってハッキリしない色に変わってきたので、オレは帰ることにした。

フミはわざわざオレを駅まで送っていってくれた。

本当に暑いのか、蒸し暑いのかよく解らない温度に少しイラっとした。

気温も空の色も中途半端だ。


地下鉄の駅の出入り口が見えてきたところで、フミが口を開いた。


「今日はゴメン・・・」


ちょっとしょんぼりして、子犬みたいだ。

「いや、いいよ。地雷踏んだのはオレの方だし。また明日な」

そう言って、フミと別れた。


電車の中で、あの写真の中のフミを思い出した。


今のフミは女子からかわいい、かわいい言われてるし、オレから見ても小動物みたいでかわいいし、そこそこにオシャレだし・・・

でも、あの写真の中のフミは見方によっちゃかわいいかもしれないけどかわいいというよりは、貧相とかそういう言葉がしっくり来る感じだ・・・


さらには、リュウと一緒に写ってる写真、それもオレの中学校の制服で・・・


アイツ、昔こっちにいたって言ってたけど、まさか同じ中学校だったのか・・・


・・・


オレは頭の中で中学校の時のヤツらを思い出そうとしてた。


だけど、思い出すのは目立ってたヤツばっかで、ほとんどのヤツらを思い出せなかった。

中学校のヤツらなんて、仲が良かったとしてもその後連絡を取り合わなければ忘れてしまうし

第一、高校の時点でも半分は覚えてなかっただろう。


取り合えずオレはケータイを開いて、リュウを夕食に誘った。