結局無口のまま電車に乗った。

電車に乗ってる時間がやたら長く感じる。

地下だからケータイはダメだし

こういう時は音楽を聴き出していいのだろうか。

いや、失礼に当たることぐらいは解るけど

降りるまでこの沈黙に耐えるのは厳しいものがある。


「後、なん駅?」

沈黙に耐えかねてオレは尋ねた。

ピクっとして顔を上げてフミが答えた

「ごめん、考えごとしてた。えっと2だ」

変なヤツ・・・。


電車を降りて改札を抜け、またフミに尋ねた。

「近けーの?」

「まぁ、そこそこかな?」

閑静な住宅街という感じの場所だ

いかにも学生が一人暮らししていそうな。

しばらく歩くと、アレ、とフミが指さした。

白塗りのコンクリート、結構しっかりしていそうな建物だった。


「お邪魔しまーす」

フミの部屋はキレイだった、ちょっと雑誌とかCDとかが散乱してるくらいだ。

そして木製の家具で統一されているので凄く落ち着く。

「めっちゃキレイじゃん、勉強してねーだろ」

そう言うと

「まぁPC位しかほとんどいじんないしな。勉強しないし」

とコーラーを差し出しながら言った。

部屋をキョロキョロ見回していると、そんなに変わったモンないし、とフミにどつかれた。

だから言ってやった、AVはねーの?って。

二人で笑った。


いろんなところをキョロキョロしてると、PCの下の棚のところに沢山写真が貼ってあるのが目に入った。
近づいてオレは言った。

「これ写真?いっぱいあんじゃん」

・・・・・・


・・・・・


あれ・・・