翌朝、あの公園でちょっと大きめのリュックを背負ったダイ君を見かけた。
向こうも、気付いたらしく軽く会釈をしてくれた。
「おはよーございます」
仕事場に着いて挨拶すると、バイトの一人が話しかけてきた。
「カイト今来たんだ、ならここのガキ見ただろ」
・・ガキ言うな。
「なんかさー、落ち着くまでばあちゃんちに泊まるんだって」
それで、あんなリュック背負ってたのか。
「電車の切符見たら昼間に出発っぽかったからそれまでここにいていいって言ったのに
どっかいっちゃったんだよな、変なヤツ」
コイツ、ウザい・・・
ふざけんな。
何も知らないくせに。
「おーい、始めるぞ」
ボスの声だ。
ボスが来るのがあと少し遅かったら、
オレはこの考え無しな野郎を殴ってたと思う。
しかし、モノが多い家だ
作業が全然進まない。
本当に期限までに終わんのか疑わしくなってきた。
チャリン
運んでいた棚から、金属が落ちる音がした。
なんだろうと思って下を見ると、きれいにラッピングされた袋が落ちていた。
それにはオレが憧れているスト系ブランドのロゴが入っていた。
そして袋についていたタグの
Toの後ろに女の人の名前が書かれてた
Fromの後には男の人の名前・・・
あっ!
これダイ君のお父さんとお母さんの名前だ
荷物が入ったどのダンボールにも同じ名前が書かれていた。
そうか、これはお父さんがお母さんに渡そうとしたけど渡せなかったプレゼントなんだ。
うゎ、もったいねぇ。
・・・・
・・
そんなことを考えていたら、脳裏にある考えが横切った。
「そうだ」
オレはボスのところに行った。