「オレも学校に行くのがイヤだったし、サボったこともいっぱいあるんだ。

よく喋る落ち着きがないから目立つヤツだったんだけど、

チビで上級生に目を付けられてからかわれてた。

それがウザくって、サボってたんだよな。

でもそうする度、担任から家に電話がかかってきて母ちゃんによく怒られてた。

あの頃はウザかったけど、今考えると

ほんとに心配だったんだろうな、って

スゲー解るし・・・」


・・・嘘、今でも結構衝突するし。


「きっとお前の母ちゃんも心配してんぞ」

そう言ったが、少年は黙り込んだままだった。

オレはヤツが口を開くのを待っていた

がタイムリミット

休憩終わりの時間が来た。

だから最後に一つだけ聞いて戻ることにした。

「まあ人に言えないことだって誰にでもあるわな。

うん、そうさ

オレはこれで仕事に戻らないとならないんだけど

最後に一つだけ、君の名前を教えて欲しいんだけど」

そう言うとやっぱり弱々しくボソボソと答えた。


「かみぬま だい・・・」


「そっか、ダイ君か。良い名前だ。

じゃあまたな!そうだ、そのキャップ格好良いね」


そう言って仕事に戻った。
 

そうか、オレが引っ越し先の子か。

かみぬまって名字はあんまいないしな。


じゃあ親が離婚かあ。


・・・やっちまった

オレすげえ可哀想なことしたんだ。

軽く鬱

何でオレってこういうことやっちゃうんだろう

人の領域に踏み込みすぎて傷つけるというか・・・

最悪だ、あーあ・・・。


「カイト、お前、ふざけんな」

あ、まただ、あーあ・・・。