リュウが顔をあげた。
そして苦笑いを浮かべて言った。
「おまえだったら、自分が最悪な目に遭ってたのに、何もしてくれなかったヤツに会いたいか?」
少しチャラくなったけど、だからって人が完全に変わることはなかなか無い
意図的に変えようとするのならば出来るかもしれないが、コイツはそうではないから
昔からの責任感や過去を後悔しやすいいところは変わってないのだ。
オレは苦笑いを浮かべた。
「いや、今すぐの話しじゃないし。いずれだよ、いずれ」
ヤツがぼそりと言った。
「いつか会いたいな」
帰り道、オレはまた頭の中で色んな事をくるくる廻らせていた。
リュウにフミのことを伝えたのか本当に正しかったのか・・・
リュウを結構悩ませちゃったしな・・
なんか悪いことしたかもしれない・・・
結局、あの後はまた下らないネタで話をうやむやにしてしまった。
だけど、その時のリュウの笑い方ムリしてるのが見え見えだ。
そして・・・・
今日のことをフミに伝えるべきか・・・。
どうなんだろ・・・フミ、リュウのこと実際どう思ってるんだろう。
家について、自分の部屋に入ってすぐに押し入れから小学校と、中学校の卒業アルバムを引っ張り出した。
小学校は同じじゃなかったっけ・・・
中学校のアルバムに少しでも載ってないかな・・・
ページをまくる度、ほこりが舞う、目にほこりが入って涙が出た。
涙で前が少し霞んだが、その分思い出が鮮明になって色々な脳裏に現れた。
あ、リュウ写ってる。
・・・リュウ、やっぱかなりかわったよな・・・。
あ・・・・
結局、どうでもいいことを思い出しただけで、肝心な目的は何も達成されなかった。
「あ~あ」
そのまま、ベットに倒れ込んだ。
まだ、天井がうっすらと霞んでいた。