オレ、コウキ。

19歳の大学生

ホントにフツーの大学生。

こういうヤツって多すぎて世の中にいなくったって誰も気にしないんじゃないかってくらい平凡な学生。

そんなオレが経験した話を今からしたいと思う。


ん、お前の話を聞いたからってどうなるのか、だって?


・・・それは難しい問題だな。

だってどうにもならないから。

まあ、もし君が今物凄くヒマだったら時間が潰せるんじゃない、そんな感じ。

ってか、そんな目で見ないで聞いてよ。


地球温暖化が進んでいることが肌で感じられるほど暑い夏の日だった。

大学に入って初めての夏

大学生活が理想とは全然違うことに気付き、だんだんバイトを始める人間が増える頃。


オレは大学の近くのファーストフードでフミと一緒に不毛な時間を過ごしていた。


フミ、タカフミ、コイツはオレが大学に入って初めて仲良くなったヤツだ。

結局入んなかったサークルの新歓で会ってから、同じ学部だからと言う理由で行動を共にしている。

他にも仲が良い、って子は何人かいるけど本当に友達って呼べるのはコイツくらいかな。

大学ってキッカケが少なくて思うように友達が作れない、そのせいでオレの期待はみるみるうちにしぼんでいってしまった。

マンガやドラマに出てくる青春なんて詐欺だ・・・。

でも、そんな状態だからこそフミの存在はありがたかったし、フミのおかげで一人ではないという安心感を持てた。

まぁヤツも同じような境遇にいるってのもあるかもしれないけど。


「なぁ、コウキさ〜」

フミが口を開いた。

人のポテトに手を伸ばしながら・・・


・・・・

人の食うなら自分で頼めよ・・・・

まあ、食いきれそうもなかったから良いけど。

ハンバーガー2つにナゲットは今のオレには多すぎたようだ。